発達障害や脳の特性とトラウマの抱えやすさの関係

PTSD

トラウマといっても戦争や震災に巻き込まれたとか、暴力や性的虐待など命の危険を味わうような恐怖を体験した人だけがPTSDになるのだとずっと思っていたのですが、親の不仲や暴言、いじめといった命の危険はなくとも精神的に恐怖や不安感を感じることが長期にわたり続いた場合でもトラウマになりPTSDの治療が必要になることがあります。

そして同じような体験をしても、トラウマ化して治療が必要になる人もいれば、時間と共にその苦しみが自然に薄れ治療を必要とせず克服する人もいます。私は以前、この受ける側の違いを根性のあるなしや性格の強さ弱さだと思っていました。

私は周りの専門家の方々のアドバイスでEMDRやソマティック・エクスペリエンスなどトラウマを解放する治療を受けることになりましたが、大きな事件に巻き込まれたりひどい虐待やいじめを受けたこともないのに、なんでトラウマ治療をする必要があるのか最初は理解できず、トラウマになるなんて自分は弱い&根性がないんだなあと恥ずかしく思っていました。しかしその後、本を読んだり専門家に相談をして、自分にHSPなどトラウマになりやすい傾向があることを知り、少しずつ受け入れられるようになってきました。(いまでもストレスを受けても周りのタフで元気な人々と比較しては落ち込むこともありますが。)

脳の発達凸凹や特性とトラウマの抱えやすさには関係があるようです。以下その例をご紹介します。

HSP(Highly Sensitive Person)

「敏感すぎる自分を好きになれる本」で著者の長沼睦雄先生はHSPとトラウマ、愛着障害に深い関係があると指摘しています。

’HSPはトラウマを抱えやすい’(p82)

‘トラウマといえば、死にまつわるような悲惨な出来事や、親との別離などといった深刻なものを想像するかもしれませんが、さまざまな刺激に敏感なHSPであれば「幼いころに自分だけ、ほんの2,3日の間、親せきに預けられた」などという、小さな出来事でもトラウマとなる可能性が十分にあるのです。’(p82)

 

「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」によると、繊細すぎる性質から周りの環境にすぐなじめなかったり、他の子どもが気づかないようなことに気づいたり気にしてしまうため、親や教師にそんなことでくよくよするなと怒られたりからかわれて傷ついてしまうこともあるようです。また両親の不和などで家庭内の雰囲気が悪いといったことでも、HSPでない子供より敏感に感じ取ってしまったり、自分を責めて罪悪感を抱きやすい性質から、両親の不和まで自分のせいだと罪悪感を抱いて悩んだり傷ついたりしやすく、それがトラウマや愛着障害に結び付くことがあるようです。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群(AS)の人はその特性から(こだわりが強い、感覚過敏、批判が直接的で辛口、傷つきやすい、コミュニケーションが苦手など)社会で「普通」だと思われていることと違う価値観、特性を持っています(追って詳細は紹介していきたいと思います。)そこでうまく周囲になじめず、いじめのターゲットにされたり、人間関係や就職などがうまくいかなかったりして傷つくことが多いようです。また無邪気で純粋な人が多く、判断を誤ったり騙されたりして犯罪や性被害などに巻き込まれやすくトラウマ治療が必要になることがあるようです。また記憶の処理の仕方が定型発達の人と違い(記憶をまざまざと思い出しやすい。)フラッシュバックを起こしやすいそうです。

 

 

ADHD

ADHDの人は刺激を求めやすく、衝動的、注意欠如の傾向があり、大きな事故に巻き込まれるリスクが高いそうです。また、その特性から(これも今後詳しく書いていきます。)人間関係でトラブルを起こしやすく、また脳の構造上ストレス耐性が弱いためネガティブな感情の影響を受けやすく、トラウマ化したりフラッシュバックを起こしやすいそうです。

’ADHDを持つ人の脳は、持たない人の脳と比べて感情による影響を受けやすいということが、ある研究によって指摘されています。…’(「ハーバード式大人のADHDパーフェクトガイド」p82より)

今後これらの発達凸凹について学んだことも詳しくご紹介していけたらと思っています。

 

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  1. 子を心配する親 より:

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