パニック発作は特に身体に異常がないのに、突然の動悸や呼吸困難、過呼吸、発汗、のぼせや寒気、めまい、胸の苦しさ、震え、吐き気といった身体症状と共に、強い不安や恐怖を伴うものです。
場所や状況にかかわらず突然起こります。パニック発作自体は健康な人でも起こすことがありますが、繰り返し起こすうちに、また発作を起こしたらどうしようと、発作に対する強い恐怖感や不安感が生まれ(予期不安)、過去に発作を起こした場所を避けるようになる(広場恐怖症)とパニック障害と診断されます。不安障害に分類されます。
原因としては様々な説がありますが、恐怖や不安に関係するノルアドレナリンや不安や興奮を落ち着かせるセロトニンといった脳内神経伝達物質のバランスの乱れが影響していると考えられています。
治療法としては脳内セロトニンを増やすことがパニック障害の回復に役立つと考えられています。
薬物療法としてはSSRIや抗不安薬、三環型抗うつ薬などでノルアドレナリンやセロトニンのバランスを改善する方法がとられています。
抗うつ剤や安定剤は副作用もありますし、特にベンゾジアゼピン系薬は依存性があり、急な減薬や断薬で離脱症状が生じるなど問題もありますので、医師と相談しながら慎重に使用する必要があります。
心理療法としては「認知行動療法」(パニック発作を恐れて行動範囲を狭めてしまう認知の歪みを修正し、少しずつ不安を克服して行動できるように促す療法)や、「自律訓練法」(自身で心身をリラックスできるようにする訓練)が有効だとされています。
ウェイト・ブランケットは適度な重みで身体に圧をかけることでセロトニンの分泌を促し緊張を和らげ、リラックスするのに役立つといわれています。