感覚処理障害は認知処理や感覚刺激に対する反応が難しくなる障害です。
感覚には視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感の他に身体を思った通りに動かし、バランスをとるための固有受容覚(筋肉、関節、靭帯等からの感覚で目をつむっても身体のどの部分がどこにあるかを感じる能力)や前庭感覚(三半規管や前庭にある重力や平衡を感じる能力)といったものがあります。
脳は感覚器官が受け取った情報を必要に応じて調整し、反応の指示を出す働きをします。しかし感覚処理障害を抱えている方の脳はそういった情報処理が上手にできず、1つもしくは複数の感覚において鈍感もしくは過敏で、日常生活に支障をきたすこともあります。
自閉症やADHD/ADDなど発達障害と付随して起こることが多い問題ですが、発達障害でない方にも起こりうるものです。どの感覚が敏感/鈍感かは一人ひとり違います。この問題が感情の起伏や学習・運動能力、日常の活動への悪影響をもたらします。
症状の例
- 話しかけられても気づかない
- ざわざわした場所が苦手で集まりに参加できない、
- ある素材の服の感触に耐えられず着られない
- 苦手な触感、味の食べ物に耐えられず偏食になる
- 感覚刺激に耐えられずかんしゃくを起こす
- 正しい姿勢を維持するのが困難
- 手先が極端に不器用など
苦手な能力の発達を促すために子供を中心に感覚統合療法が紹介されています。
大人の場合完治は難しいかもしれませんが、ブレインジムなどで脳を活性化することで症状を緩和して過ごしやすくなることがあるようです。
感覚処理に問題を抱えていると、感覚情報の処理でかなりのエネルギーを使うため、疲労感を感じやすく、不安障害を抱えることも多いです。
ウェイト・ブランケットを使用すると、感覚処理障害で混乱を起こしたときに落ち着きやすくなり、リラックスして良く休むことができるようになります。