アスペルガー症候群は自閉症スペクトラム障害の一端に分類されます。知的障害や言葉の発達の遅れはないものの、社会性、コミュニケーション能力、想像力に障害があり、対人関係に問題が起きやすい障害です。
知的な遅れがなく会話も表面上は問題なくできるため、本人や周りも障害だと気づきにくく、理解も得づらいことがあります。しかし会話の行間や場の空気を読むことが苦手で、自分のルールや限定された興味対象に強くこだわりがあるため、社会のルールや場の雰囲気にそぐわない言動をとってしまうことがあります。一方、興味のあることに対する集中力や記憶力、情報処理能力、ルールや細部に注目して緻密な作業を行う力などがすぐれていることが多く、このような特性を強みとして活かすこともできます。
アスペルガー症候群の原因はまだはっきりとわかっていません。環境や遺伝的要因、妊娠中、出産時、生後早期の何らかの問題で、脳の特定の部分の機能に障害が生じたものと考えられています。
なかなか周りに気づかれず理解やサポートを得られることが少ないため、社会・対人関係に対応することがストレスになり、二次障害としてうつ病、パニック障害などの不安障害、強迫性障害を引き起こすこともあります。また必要な睡眠が十分にとれないと、ストレス耐性が弱まって感情的になったり、生産性が落ちたり、疲労感に悩まされたりと様々な問題が生じます。
アメリカではより良い睡眠や不安感の改善にウェイト・ブランケットが使われています。