「世界のエリートがやっている最高の休息法」久賀谷亮著①(瞑想の効能) 読書リスト

マインドフルネス ヨガ&瞑想

こんにちは。momongaです。瞑想についてのおすすめの本のご紹介です。

「世界のエリートがやっている最高の休息法ー脳科学×瞑想で集中力が高まる」

瞑想というと宗教がかっていて怪しいとかスピリチュアルっぽくて敬遠する方には特におすすめ。インドや日本(禅)の宗教と関係の深い瞑想の中から脳科学的にみて脳疲労をとったり集中力を高めるのに効果が実証されたものをわかりやすく紹介しています。世界を代表するビジネスエリートで、瞑想を実践している人を紹介していたり、瞑想が科学的にどう脳に効果がありそれがどうビジネスに役立つかが端的に書かれていて、無駄を嫌うビジネスマンやスピ嫌いな人にとても読みやすく書かれています。

著者の久賀谷亮先生のプロフィールは

イェール大学医学部精神科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。日本で臨床及び精神や栗の研究に取り組んだ後、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年にわたり従事。イェール大学以外にもロングビーチ・メンタルクリニック条件井、ハーバーUCLA非常勤医を務め、2010年ロサンゼルスでTransHope Medical (くがや こころのクリニック)を開業。院長としてマインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開する。臨床医としては日米で25年以上のキャリアを持つ。脳科学や薬物療法の研究分野で様々な賞を受賞し、50以上の論文を発表。趣味はトライアスロン、

とまさに世界の最先端でバリバリ活動されてきたエリートです。

’マインドフルネスは脳と心を休ませるための技術群’だと説明しています。その起源は原始仏教にあるそうですが、欧米人が東洋の思想や瞑想法などを自分たち用にアレンジしたもので、そのため元々あった宗教的な要素が排除されていてその実用性に重きが置かれているそうです。そしてこれが効率性を追求するアメリカで爆発的に流行した理由として以下のように説明されています。

’アメリカ人は、子どものころから成功することを宿命づけられ、自分に鞭打ちながら生きている。自由な国だからこそ何かをやり続けることが求められている。成功や目標達成へのプレッシャーと常に戦わねばならず競争は必至。しかし、それにもいよいよ限界が見えてきた。アメリカ人は素早く仕事をこなしたり、効率よくお金を稼いだりする方法は知っているが、立ち止まる方法についてはこれまで考えたことがなかった。アクセルはあるがブレーキのない車のようなもの。そんなとき、はるか昔に東洋から持ち込まれたマインドフルネスが再発見された。休息の方法を知らなかったアメリカ人たちは『これぞ自分たちが求めていたものだ!』と言わんばかりに、これに飛びついた。’

日本もとても似た状況ですよね。成功を目指し競争に明け暮れ、頭と心が疲れ切っている燃え尽き症候群の人がたくさん出てきています。

マインドフルネスがこの燃え尽き症候群にかなりの効果をもたらすことを実証した論文が2009年のアメリカの臨床医学分野で権威のあるジャーナルに掲載されたとのこと。またある研究ではストレスホルモンであるコルチゾールが出にくくなるとも発表されたそうです。自律神経のバランスも整うそうで、5日間の瞑想トレーニングで副交感神経の活動が増えたというデータもあるとのこと。

燃え尽き症候群やうつは脳の疲労から発症するのですが、この脳の疲労はただぼーっとすればとれるわけではないそうです。ぼーっとしているときにでも頭の中ではいろいろな雑念が浮かび心がさまよいます。これは’意識的な活動をしていないときに働く脳のベースライン活動’で、’脳のアイドリング状態’と説明できるそうで、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と言われているそうです。(内側前頭前野、後帯状皮質などからなる脳回路)DNMが脳エネルギー消費の6~8割も占めているそうでこれが脳の疲労の正体だと考えられているそうです。このDMNの使い過ぎが燃え尽き症候群やうつを招くのではないかと指摘されています。そして使いすぎてDMN回路が耐久年数を超えるとアルツハイマー認知症を発症するともいわれているそうです。(アルツハイマーの方はDMNの働きが低下していて、DMNには脳の疲労物質アミノロイドβタンパク質がたくさん溜まってしまっているそうです。)

’脳のアイドリング中に浮かんでくる雑念こそが、脳疲労の最大要因の1つであり、その雑念を抑えることで脳を休ませるというのが、マインドフル瞑想の基本メカニズム’なんだそうです。

瞑想をしてこのDMNの活動を抑えると脳疲労がとれ、またこれを自身でコントロールしていくことで脳自体が変わっていき(脳の可逆性)疲れにくい脳を作ることも可能なんだそうです。瞑想はまさに脳のトレーニングですね。

よくマインドフルネスでは呼吸やマントラに意識を向けて「いまここ」にあることに集中し、過去や未来についての考えや感情が浮かんで来たらそれを受け流していく練習をしますが、どうしてこれが脳疲労に効くかがこれでよくわかりますね。今目の前に起きていない過去や未来について思いを巡らせることがまさにDMNの回路を使っているということらしいのです。「いまここ」に意識を向けることで脳と心の本当の休息が得られるんですね。

「科学的に正しい脳の休ませ方」として7つの休息法を紹介しています。

1.とにかく脳が疲れているときーマインドフルネス呼吸法

2.気づくと考えごとをしているとき― ムーブメント瞑想

3.ストレスで体調がすぐれないときーブリージング・スペース

4.思考のループから脱したいときーモンキーマインド解消法

5.怒りや衝動に流されそうなときーRAIN

6.他人へのマイナス感情があるときーやさしさのメッタ

7.身体に違和感・痛みがあるとき―ボディスキャン

1つあたり見開き2ページに絵を入れながら端的に書いてあるのでわかりやすく見やすいです!これらの瞑想を実践することで、脳が休まり心のバランスが取れ、身体にもいい影響があるので、個人のパフォーマンスが向上するのはすぐわかりますが、これがビジネスなどのチームのパフォーマンス向上にも素晴らしい効果を発揮することが説明されています。

簡単にまとめると、マインドフル瞑想を実践するとセルフレス(滅私)の状態になり、「自分が自分が」というエゴが顔を出しにくくなるそうで、これが高度なチームワークに役立つということ、またレジリエンス(ストレスが加わった時の回復力)が増すので、ストレスがかかってもポジティブな状態を保てるようになり、また過去や未来にくよくよしすぎず目の前の仕事に集中できるようになることもあり、パフォーマンスの向上につながるとのことです。

次回はこの本がもう一つの脳の休息法「睡眠」についても言及しているのでそれを紹介したいと思います。

 

 

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